2025年10月31日
                国内eスポーツ市場、2025年に200億円突破 - スポンサー企業の参入が加速
                日本eスポーツ連合(JeSU)と調査会社ファミ通が10月31日に発表した市場調査によると、国内eスポーツ市場規模は2025年に初めて200億円を突破し、前年比42%増の218億円に達する見込みだ。特に、従来のゲーム関連企業に加えて、自動車、飲料、金融など異業種からのスポンサー参入が市場拡大を牽引している。
市場の内訳を見ると、スポンサー収入が全体の58%(約127億円)を占め、次いで大会賞金・興行収入が25%(約55億円)、グッズ販売やライセンス収入が17%(約36億円)となっている。スポンサー収入は前年比68%増と特に高い伸びを記録した。
この背景には、若年層へのリーチ手段としてeスポーツへの注目が高まっていることがある。トヨタ自動車、サントリー、三菱UFJ銀行など、これまでeスポーツとの接点が少なかった大手企業が相次いでスポンサー契約を結んでいる。トヨタ自動車の広報担当者は「Z世代へのブランド認知拡大において、eスポーツは極めて効果的なチャネル」と説明する。
また、プロゲーマーの年収も上昇傾向にある。トッププレイヤーの平均年収は2025年に3500万円に達し、5年前の2.8倍に増加した。スポンサー契約、ストリーミング配信収入、大会賞金の3本柱で収入を得るプレイヤーが増えており、eスポーツ選手が職業として確立されつつある。
一方で、課題も残る。プロゲーマーの育成システムの整備、選手のキャリア形成支援、大会運営の標準化など、産業としての成熟に向けた取り組みが求められている。JeSUの岡村秀樹会長は「市場規模の拡大は喜ばしいが、持続可能な成長のためには、選手の権利保護やガバナンス体制の強化が不可欠」と述べている。
調査では、2026年には市場規模が280億円、2030年には500億円に達すると予測されている。