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2025年10月31日

YouTubeとTwitchの配信者収益モデルに大きな変化 - ショート動画とサブスクが収益の主軸に

YouTubeとTwitchの配信者収益モデルに大きな変化 - ショート動画とサブスクが収益の主軸に
動画配信プラットフォーム大手のYouTubeとTwitchは10月31日、それぞれ配信者向けの収益化プログラムを刷新すると発表した。両プラットフォームとも、従来の広告収入中心のモデルから、ショート動画とサブスクリプション収入を重視する方向に大きく舵を切る。 YouTubeは、YouTubeショート(60秒以内の縦型動画)の収益分配率を従来の45%から55%に引き上げると発表。これは通常の横型動画と同じ分配率となる。YouTube Shorts担当ディレクターのトッド・シャーマン氏は「ショート動画は視聴者エンゲージメントが極めて高く、今後のコンテンツ消費の中心になる。クリエイターにはこの変化に積極的に対応してほしい」と述べた。 また、YouTubeは新たに「スーパーサブスク」機能を導入する。これは、視聴者が月額490円から4900円の範囲で任意の金額を設定し、お気に入りのクリエイターを継続的に支援できる仕組みだ。クリエイターは収入の70%を受け取り(従来のメンバーシップは70%)、視聴者には特典動画、バッジ、絵文字などが提供される。 一方、Twitchも同日、サブスクリプション分配率の大幅な改善を発表した。従来、配信者が受け取るのは月額サブスク収入の50%(一部のトップストリーマーは70%)だったが、新プログラムでは全配信者が一律60%を受け取れるようになる。さらに、視聴者数や視聴時間に応じて最大75%まで分配率が上昇する段階制を導入する。 TwitchのCEO、ダン・クランシー氏は「配信者の皆さんはTwitchの心臓部です。より公平で透明性の高い収益分配により、フルタイムのストリーマーとして生活できる方を増やしたい」とコメントしている。 これらの変更は、TikTokやInstagram Reelsなどショート動画プラットフォームとの競争激化を背景としている。また、広告収入だけに頼らない多様な収益源の確保が、配信者にとっても、プラットフォームにとっても重要になっている。 業界アナリストは「配信者エコノミーは成熟期に入りつつある。トップクリエイターだけでなく、ミドル層の配信者が安定した収入を得られる環境整備が、プラットフォームの持続的成長の鍵になる」と分析している。 新プログラムは、YouTubeが2026年1月1日から、Twitchが2026年2月1日から適用される。
出典: ITmedia NEWS | 著者: 山本拓也
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